神奈川県 箱根で旅館5店舗・飲食店3店舗を運営する株式会社 金乃竹は、動物性食材を使用しない「ヴィーガン懐石料理」を、2025年12月より提供を開始している。本料理は、異なる魅力を持つ「金乃竹 仙石原」「金乃竹 塔ノ澤」「松坂屋本店」の3施設にて提供。この取り組みは、単なるアレルギー・宗教対応の枠を超え、「誰もが同じように日本文化を体験できる食環境づくり」を目的としたものだという。インバウンド6割超、宿泊業が直面する“食の多様化”近年、訪日旅行者の増加とともに、宗教・健康・環境配慮の観点から動物性食材を控える旅行者は世界的に増加している。金乃竹でも2025年の宿泊客の約6割がインバウンド客となり、食事に関する相談は年々増えている。ヴィーガン利用者が求めているのは特別扱いではなく、”他の利用者と同じように、その土地の文化を深く味わう体験”であるという点だったという。しかし、日本の食文化には魚介由来の出汁が広く使われており、「見えない出汁」という壁や、「一人だけ別メニュー」という疎外感が生まれやすい現状がある。こうした「ヴィーガン対応=制限食」というこれまでの常識を見直し、誰もが同じ食卓で、日本の食文化の美しさを体験できる環境を整えた。開発の壁は“和食の要”を使えないこと最大の課題は、和食の味の土台を支える鰹出汁が使えないこと。これまで現場では到着後の個別対応が中心で、仕込み済みの食材の多くに動物性出汁が使われていたため、ヴィーガン対応を行うには料理を一から仕込み直す必要があり、現場負担も大きな問題となっていた。さらに開発段階では、伝統的な懐石料理に近い味わいをどう表現するか、動物性食材に頼らずにどのように旨味を構築するか、そして“和食らしさ”をいかに表現するかという、料理人としての根本的な技術的課題にも向き合う必要があったという。試行錯誤の末、金乃竹では和食の構造そのものを見直す発想へと切り替えた。目指したのは、鰹節の味を再現するのではなく、植物性食材だけで和食の旨味の土台を再構築すること。具体的には、100%植物性の和出汁を基礎に据え、味噌や麹といった日本古来の発酵調味料を改めて研究。さらに、干し椎茸や昆布、乾燥野菜、野菜の端材から丁寧に出汁を抽出することで、さまざまな植物性食材の旨味を組み合わせ、奥行きのある味わいへと仕上げた。その結果、動物性食材に頼らずとも、素材の個性がより際立つ新たな和食の味わいを実現したという。今後の展望金乃竹では本取り組みを一過性の対応にとどめず、ヴィーガンやベジタリアンの方だけでなく、宗教・健康・アレルギーなどさまざまな背景を持つ利用者が、他の利用者と同じように日本の食文化を楽しめる環境づくりを進めていく。出典元PRTIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000150.000097935.html